by Stephanie » 2018年7月22日(日) 01:10
・ネザーとは?
マインクラフトの世界は大昔、豚人(とんじん。英語ではピッグマン)と人間(プレイヤーや村人)が共存していた。
その世界にはスライムぐらいしか敵のいない、平和な世界だった。(なんとなく、スライムって正直ゾンビとかより沸いてない?)
しかしある日、世界は変わってしまった。どこからか現れたウイルスによって、ピッグマンたちの姿が変わってしまったのだ。
そのウイルスはピッグマンの身に感染し、感染したピッグマンは「死体のような姿」に変わってしまうというものだった。
しかし、このウイルスに感染しても結果としては姿が変貌するのみである。…正確には、実際に「死亡」している。細胞の働きはとまり、食事の必要はなくなっている。
ゆえにもとより温厚なピッグマンたちはそんな姿になろうともその性格は変わらず、少々困っているぐらいだった。
しかし、人間は違った。急に死体のような姿になったピッグマンたちを見て、醜いと軽蔑した。生きた屍、ゾンビだと言い、ピッグマンたちをゾンビピッグマンと呼んだ。
その上この世界の覇権への欲も混ざり、そして人間はピッグマンを隔離することに決めた。
今いる世界の上にもう一つ岩盤を設置し、岩盤と岩盤の間に醜いピッグマンたちを閉じ込め、自分たちは新たな岩盤の上に文明を築こう。そしてそれは実行された。
さて、岩盤に挟まれた地下の世界はどうなったか。これが今でいうネザーとなるため、これより下はネザーと呼称する。
ネザーは、まず日光が届かず闇に包まれた。そこでピッグマンは鉱石を研究し錬成し、グロウストーンを作り上げた。
しかしこれでも日光には遠く及ばず、ネザーは植物の育たぬ地となった(ただしキノコは育つ)。
そして密閉された空間ゆえに、だんだん温度が上がっていった。水は枯れ、マグマの川が見えるようになった。木や石で作った建造物ももろくなった。
温厚なピッグマンたちは人間への復讐など考えなかった。ただその優しさゆえに、自殺を試みるものが現れだした。
彼らはアンデッド。しかしそれは「寿命などのせい、つまり自然には死なない」ということであり、殺害や自殺は可能である。…なお、灼熱化によりマグマ耐性はできた。
血にはピッグマンの骸が転がり、土はその肉と血を吸って赤く変わった。ネザーラックである。
この惨状を見て、ピッグマンは自殺してもよくはならないと考え直した。
そしてそのネザーラックで煉瓦を焼き、追悼の意を込めて要塞を立てた。供物としてところどころにチェストを置いた。
ちなみに、ピッグマンの死体の骨が化石化したものがネザークォーツで、自殺するほどの負のエネルギーをもって赤石回路に使われたりする。
…さて、そんなことが起こっている間。温厚とは言えどもピッグマンたちは悲しんでいた。苦しんでいた。怒る者だっていた。
そのどうしようもない負の感情を持ったまま死ねずにネザーに存在していた。
そしてある日、その感情が形を持った。これがネザーのモンスターとなり、温厚なピッグマンたちとは違い…いや、代わりにと言うべきか、人間を攻撃する。
1、マグマキューブ…地上にいたスライムに姿が似ている。この灼熱の象徴ともいえるマグマを体に帯び、スライムのように跳ね、攻撃する。その身はマグマクリームでできている。
2、ガスト…地上にいたイカに姿を似せたつもりだった失敗作。悲しみ故に涙を流し目を赤く腫らし、その感情をエネルギーに火を吐く。常に高所を飛び、その上にある世界を夢見て泣く。か弱い。
3、ブレイズ…火と同等にエネルギーを持つ、またはエネルギーの塊であるブレイズロットを用いて火炎攻撃。高所を飛ぶというより攻撃、攻撃。火属性で水によわい。
4、ウィザースケルトン…ピッグマンの死体の骨がモンスター化。ピッグマンと同様に剣を持ち攻撃。相手の水分を消し苦しめる能力がある。特にその頭蓋骨には強い負のエネルギーが宿っている。
彼らが暴れ出し、さらにネザーは地獄となった。
ピッグマンたちはもう涙さえも枯れたように、まだ太陽を見ていたころに作った綺麗な金の剣(ピッグマンには金に対する信仰がある。ゆえに金のナゲットを携帯していることもある)を握り締めて立っている。
隔離された過去ゆえにピッグマンたちは同族を大変大事にする。そのため同族が攻撃されれば誰であろうと攻撃。
なお、ソウルサンドは負の感情が宿った土で、それを踏んだものをここにとどめて殺そうとする(威力は弱いが)。その負のエネルギーをもとに育つはずのない植物であるネザーウォートが育つ。
そしてそのソウルサンドとウィザーの頭蓋骨を組み合わせることで、破壊神ウィザーが召喚される。ウィザーは頭蓋骨を飛ばし全てを爆破させ破壊する。死ぬとネザースターを落とす。
…ネザースターは、その負の感情を一斉に背負ったネザーのモンスターによる、ただそのままネザーにあり続けるピッグマンへの敬意である。その魂への賛美である。
ネザースターの輝きやそれが持つ力、美しさは人間のためのものではないのだ。悲しきピッグマンたちの魂の輝きなのだ。
この輝きをもってビーコンが作られる。そもそもビーコンとは、ネザースターの本来の意味を知った人間たちによる、ピッグマンへの懺悔、その魂への敬意を表すものである。
その光を、太陽のある天高くへ。
しかし、長い年月の間に人間はビーコンの意味を忘れてしまった。この世界にもとから存在する魔術観が入り込み、ただ人間へデバフをつけるだけのものと化してしまった。
記述が遅れてしまった。ネザーゲートとは、地上を夢見たゾンビピッグマンが作り出したものである。
水の枯れた世界では希少でもある黒曜石を用いて、魔術の力を借りて、ネザーと地上をつなげることに成功した。
しかし、皮肉にも暗いネザーに慣れてしまったゾンビピッグマンの体には、地上はは色鮮やかで明るすぎた。それにあの人間たちが怖かった。
そしてゲートの発明だけして、もう自分たちでそれを作ることはなかった。しかしそれを目撃した人間が技術を獲得し、ネザーゲートを作れるようになったのである…
ちなみに、地上の豚が落雷によってゾンビピッグマンになるということに人間が気付くのはもう少し後の話である。